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マンドリン奏法:マンドリンのアドリブのコツ (1)

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マンドリンを弾いていると、バンドやジャムで、CDからコピーした決まったフレーズ以外に、自分のフレーズで自由に弾いてみたい、と思うようになります。でも、これは、なかなか難しいことです。

それでも、開放弦を使える第1ポジションのところでのブレークは、結構できると思うのですが、少し、高い音のところで演奏してみたい、と思っても、曲のキーごとに音のポジションを覚えていくことは、とても大変なことです。

マンドリンの場合は、ギターのように、カポタストで簡単に転調できる、というわけにもいきません。(マンドリンでもカポを使うやりかたは、十分考慮に値すると思うので、又、別の機会にお話したいと思います。)

でも、少しばかり、マンドリンの調弦の特徴を利用すると、結構、ミドルポジションでのインプロビゼーションがやりやすくなります。

以下に書くコツは、単純で、ごく小さいことなので、教則本にも出ていないのですが、自分のスタイルを作るのに役立つような気がします。

まずは、Cの曲から考えてみましょう。

***1***2***3***4***5***6***7***8***9**10**
1E|===|===|=5=|===|=6=|===|=7=|=8=|===|===|
2A|===|===|=1=|===|=2=|===|=3=|=4=|===|===|
3D|===|===|===|===|=x=|===|=x=|===|=(x)|===|
4G|===|===|===|===|===|===|===|===|===|===|

上の図は、マンドリンのフレットの略図です。上記の1から8は、Cの音階(ハ長調のドからオクターブ上のド)を示しています。開放弦は使いません。

この運指の位置関係を覚えてください。

ご承知の通り、長調の音階は、根音から始まって、全音+全音+半音、更に全音+全音+半音、と上がっていきますので、覚えやすいポジションです。

このように、2弦の3フレットに人差し指を置いて、上記のスケールを弾けば、C調のオクターブの音をカバーしますので、自分のイメージに従って、インプロビゼーションをやりやすくなります。

3フレットのところに人差し指を置くポジションを、仮に「3フレットポジション」と呼ぶとすると、Cの曲のブレークを取るときは、3フレットポジションに指を動かすことで、インプロビゼーションがやりやすくなります。このポジションで、ペンタトニックの音階を弾くだけでも、適当なブレークになったりします。

更に、3弦の5フレットと7フレットの「X」印のところも覚えると、結構、これだけでかなりのブレークができるようになります。

開放弦を使わないC音階の形を覚えると、他のキーの曲でも、そのままその音階の形を使うことができますので、転調が簡単にできて便利です。

例えば、Dの曲を弾くときには、Cの3度上の5フレットポジションに指を持っていって、Cの時にやった運指をすれば、Dのアドリブができます。同じく、Eは、7フレットポジションです。ただし、この場合は、音が随分と高くなってしまいますが。

こう考えると、一般に難しいとされるBの曲のブレークも割と簡単にできることになります。つまり、2フレットポジションから同じ事をすれば良いわけです。同様に、B♭は、1フレットポジションからです。

先ほど、このやり方では、Eの音階7フレットポジションから始まるので、高すぎる音になってしまう、と申し上げましたが、下の図のように、3弦の2フレットから始めれば、低めの音階となります。

***1***2***3***4***5***6***7***8***9**10**
1E|===|=1=|===|=2=|=3=|===|=4=|===|===|===|
2A|===|=5=|===|=6=|===|=7=|=8=|===|===|===|
3D|===|=1=|===|=2=|===|=3=|=4=|===|===|===|
4G|===|===|===|=X=|===|=X=|===|=(X)|===|===|

この低めのEの音階のポジションは、よく見ると、Bの音階のポジションをそのまま1つ隣の弦へ移しただけですので、これまた覚えやすい形となっています。つまり、演奏している者にとっては、BとEは非常に近い関係にあります。

この運指の形を覚えれば、フレットのどこを押さえようと、最初の指の位置を根音とする音階を簡単に弾くことができます。

こうやって、文章で説明すると長ったらしくなりますが、ものすごく単純なことなんですよね。

  by kasninoyh | 2005-05-17 22:08 | マンドリン演奏

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