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音楽の本:小室等著「人生を肯定するもの、それが音楽」

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今度は、少し、ブルーグラスに関する本について、つれづれを綴ってみたいと思います。とは言っても、ブルーグラスだけでは、すぐネタ切れとなってしまいますので、少し広げて、音楽についての本を取り上げて行きたいと思います。

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第1回目は、ブルーグラスではないのですが、日本のフォークソングの草分けである、小室 等さんが書いた「人生を肯定するも、それが音楽」です。岩波新書なんで読まれた方も多いのではないかと思います。

小室さん(...と「さん」付けで呼んでいますが、別に個人的に知っているわけではありません)が人生の中で会ったいろいろな人について、その出会いを綴った本ですが、なかなか味わい深い本でした。

ことばの師としての谷川俊太郎、音楽の師としての渡辺貞夫。ニューヨークで会ったオデッタピート・シーガー。偉大な作曲家の武光徹等など、多くの人との出会いの中で、音楽家としての小室さんが育っていった様子が率直に語られています。

いろいろ面白いと思ったところが多かったのですが、アマチュアとして音楽を演奏する者としても、とても共感できる一節がありました。

それは、音楽の録音をしていると、「あいつ」がやってくる時に良い録音ができるのであって、「あいつ」は、一日に2度も3度も来ない、という話です。

これは、アマチュアでも、そう思います。

大体、録音は、ファーストテイクが一番なんです。演奏する皆のやる気とエネルギーは、きっと、最初の1回目に集中するんだと思います。

これは、練習でも同じですね。何度もやったからといって、良い感じになるわけではない。音合わせや、フレーズを作っていく、ハーモニーを作る、ブレークを作る、そういうことのために練習は、何回もやる必要があります。このような練習は、やればやるだけ良くなる、というものでしょう。

しかし、一度、曲の演奏、編曲等が出来上がって、一応、バンドのメンバーが演奏に慣れて、本番もOK、録音もOKとなった時の後の練習は、いくらやっても、フレッシュな時にやったものが一番のような感じがします。

ですから、ライブの前にあまり練習しすぎると、本番は気の抜けたような演奏になることが多いような気がします。もちろん、練習をたくさんすれば、「決め事」が多い曲の場合、間違いが少なくなるとは思いますが、メンバーがその曲に飽きてしまっていますので、勢いがなくなってきます。

この辺のバランスは難しいですね。ですが、実際には、我々、アマバンドの場合は、事前の練習をしないと、間違ってばかりいますので、話にならないんですが。

その他、この本は、いろいろと共感するところが多い本でした。音楽は、本当に、人生を肯定してくれると思います。上手下手は別にして、私も音楽をやることで救われてきた方です。

700円は、安い、と思った次第です。

  by kasninoyh | 2005-07-17 23:43 | ブルーグラス・音楽の本

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