カテゴリ:身勝手ブルーグラス論( 10 )

 

ブルーグラスをもっと広めるには(2):どうしてハワイアンは人気があるんだ?

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さてさて、またまた、勝手な愚考の独白です。聞き流してください。

ブルーグラス音楽は、最近、本場アメリカでも復活しつつあるようですが、日本でもどうすればもう少しこの良さが若い人や一般の人に人に伝わって行くのだろう?と考えたりします。

そんな時参考になるのは、ブルーグラスと同じように、昔はやってその後衰退し、演奏したり聴いたりする人は当時のファンだけ、という状況が長かったのに、最近、人気が出てきたハワイアン音楽です。

ハワイアン音楽は、1990年代後半、どうして若い人に受け入れられたり、新たなファンを獲得したりしたんでしょう?

次のような事が考えられます。(ただし、私は、この時期に日本にいなかったし、ハワイアン音楽をあまり聴いたことがないので、ポイントを見逃しているかもしれません。)

1.島谷ひとみ高木ブーの活躍でハワイアン音楽が一般の人にも聞かれるようになった

2.時代が求める「癒し」の音楽だった

3.ハワイアンで使われるウクレレが割と簡単に弾ける楽器だった

4.本場ハワイでも新しいハワイアン音楽が次々と生まれていた

5.ハワイアン音楽と一体となっているフラダンスが、健康促進、癒しに効果あり、ということで広い層の女性の心を捉えた。

6.ウクレレ教室、フラダンス教室等が増加して、受講する人も増えた。

他にも理由があるんでしょう。

一番根底にあるのは、「癒し」を求める時代の雰囲気に合っていた、ということなんでしょうか。

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このハワイアン音楽の復活のケースをブルーグラスに当てはめて考えてみると、ブレークするのに何が必要なのか、が分かるかもしれません。

1.誰か若い人や有名な人が、ブルーグラス系の音楽でヒットを出す必要があります

2.ブルーグラスは、「癒し」という感じではないかもしれませんね。スローライフというよりアクティブライフ、と言う感じ?でも、アウトドア-やナチュラルライフ、エコ・ライフ等のキーワードには合うかもしれません。

3.ウクレレみたいに簡単で伴奏がすぐできる楽器が必要。バンジョもマンドリン、フィドルも結構難しい。ギターも同様?でも、ブルーグラスの場合は、これらの楽器の生演奏に魅力があるので、ちょっと違うか。

4.本場アメリカでも、若い世代による新しいブルーグラスが生まれています。

5.ハワイアンとフラダンスの関係のように、ブルーグラスもバーンダンス等のトラッドなダンスが一体となっています。もともとがダンスのための音楽がたくさんあります。カントリーダンスやラインダンス、スクエアダンスは、ステップも簡単だし、やると結構、運動になるし、こちらが注目を浴びる、という可能性もあるかもしれません。

6.ブルーグラスのワークショップが増えることが期待されます。

どうもコンシューマー・グッズのマーケティングを考えているような感じになってしまいましたが、明確に意図されているかどうかは別にして、音楽のブレイクには、きっと、何かのきっかけや、「作りこみ」のようなものが必要なんでしょうね。

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  by kasninoyh | 2005-07-11 22:46 | 身勝手ブルーグラス論

「皆で演奏すること自体を楽しむ音楽」について

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ちょっと脇にそれますが、音楽の種類についての一考。と言っても、あんまり役にはたたないことですが。

前にも同じようなことは書いたのですが、音楽には、「聞かせる音楽(=聞く音楽)」、「皆でやりながら楽しむ音楽(=参加する音楽)」の2つの種類があって、この2つは、結構、違うのではないかと思います。

どうも日本では、伝統的に、「聞かせる音楽」を「本物」として究極的に目指しているようなところがあって、「皆でやりながら楽しむ音楽」というのは、あまりなかったんではないかと思います。

日本は、音楽がとても盛んな国だと思いますが、カラオケにしても、小唄、謡にしても、他の人に、じょうずな音楽を「聞かせる」ことが目的となっています。オープンマイクも同様ですし、バンドを組んで演奏するということも目的も同様です。

また、音楽好きも、良い音楽を「聞きに行く」ことが目的になります。

別にそれがおかしいというのでは全くありません。これは、紛れもなく音楽の1つの楽しみ方で、何と言っても、主体となるものだと思います。

しかし、もう一つ、「複数の人で演奏すること自体を楽しむ」、という形態もあると思います。我々の周りには、こちらが、極端に少ないような気がします。

民謡や盆踊りのような楽しみ方はあるのですが、これも、歌の部分は、歌のうまい人が「聞かせる」ことになります。

合唱やオーケストラの演奏も、大勢でやる音楽でかなり盛んだと思いますが、これも、あくまで、「聴衆」を想定して、「じょうずな音楽、綺麗な音楽を聞かせよう」というものです。音の組み合わせや進行の仕方も、複雑で高度になっていきます。

一方、欧州や米国では、キリスト教会における音楽の取上げ方の影響かもしれませんが、「多くの人で歌ったり演奏したりすること自体を楽しむ」伝統があります。それは、賛美歌を参拝者全員で重唱する、という技法が開発され、発展したためかもしれません。日本の伝統的音楽では、和音を楽しむという部分は、あまりないと思います。

あるいは、アフリカの原住民達の音楽もそういうところがあるんでしょうか。聴衆を想定しているのではなく、ただ、演奏する人が演奏することを楽しんでいる音楽の形態です。

ブルーグラスやフォークソングには、全員参加で、重唱や和音を楽しむ要素が強くあると思います。そこには、聞く人とやる人の分裂はなく、「聞く人=やる人」です。

ジャムがその典型でしょう。ジャムでは、歌ばかりでなく、楽器の演奏も、聞くことではなく、一緒に弾くこと、掛け合いをしていくこと、が目的となります。必然的に、このような目的にあった曲は、比較的単純な曲になります。

...とまぁ、理屈っぽい民俗学的なことを言ったところで、どうなる訳でもないんですが、ちょっと、頭の整理してみた次第です。
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  by kasninoyh | 2005-06-01 22:49 | 身勝手ブルーグラス論

ブルーグラスの歌の重要性について(当たり前のことだけど)

c0032583_2357660.jpgこれまで、ブルーグラスの魅力をいろいろな側面から見てきましたが、私達が学生の頃、特に、ブルーグラスに惹かれた一番の理由は、やはり、その楽器演奏の素晴らしさではなかったか、と思います。バンジョーやマンドリンの素早い演奏、メロディーラインの追い方、高度な演奏のテクニック等、是非とも自分でやってみたい、という気持ちが強かったと思います。

一方で、歌については、若干、軽視気味で、適当にやっていたし、歌詞も全部覚えようという努力が今一つだったように思います。

今でも、自分の中で、この傾向は続いているような気がします。

でも、ブルーグラスでも、歌はとても重要なんだ、という当たり前のことを、今更ながら、ひしひしと感じているところです。歌詞の内容も、曲の大きな魅力の一つであり、これも蔑ろにできません。

歌の魅力の1つに、ハーモニーの美しさがあります。この美しさを引き出すためには、相当な鍛錬が必要のようです。ハーモニーの良さというのは、必ずしも、各人の歌がうまい、ということではありません。複数の人間が集まって重唱した時に、声がうまく溶け合うか、ということです。

米国の南部の人たちのように、小さいときから教会で重唱をやっていたりすると、この辺は体に染み込んでいるのかもしれません。以前、成城学園の小中学校では、毎朝、重唱の練習があって、そのような経験を経ていくと、リードの上を付けたり下を付けたりすることが自然にできるようになる、という話を聞いたことがあります。そういう鍛錬を受けていないとすれば、重唱の練習は、もっともっと丹念にしなければならないのでしょう。

歌の発声法もとても重要ですが、意識して練習することは少ないのかと思います。

ブルーグラスを英語で歌うとなれば、英語の発声も課題となってきます。

まぁ、でもあまり固く考えずに、集まって重唱を練習して、楽しみながら皆でうまくなって行ければいいんでしょう。その観点からも、ジャムで皆で歌うというのも、貴重な機会なのかもしれません。
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  by kasninoyh | 2005-03-29 22:13 | 身勝手ブルーグラス論

オールドタイミー音楽とブルーグラス (2)

c0032583_2335924.jpgニューヨーク地区のオールドタイミーのジャムを見る限り、使われる楽器も、ブルーグラスで使われるものと少し違っているところがあります。

特に、オールドタイミーで使うバンジョーは、とてもバラエティーに富んでいます。

だいたい、オープンバックのものが多いのですが、リムのところが木製だったり、フレットがないフレットレスのものがあったり、スキンもいろいろあるようですし、調弦も多様なようで、楽器によって音のイメージがすごく違います。

バンジョーの奏法は、フレーリング(クロウハンマー)ですが、これもいろいろテクニックがあるようで、極めると自由自在の演奏ができるようです。ブルーグラスでは、アール・スクラッグスによる3フィンガー奏法が絶対の地位を占めていますが、フレーリングでも、それに匹敵するような素早く、鋭い演奏ができるのでびっくりしたことがあります。

フィドルも、弓の持ち方は、竿をかなり上のところを持って弾く人もいますし、人によっては、肩で本体を挟まずに、腕の上において弾いたりします。(フィドルにも、ニューイングランドスタイルというのがあります。何がニューイングランドスタイルなのかは、よく分かりませんが。)

マンドリンは、どちらかというと、Fタイプより、Aタイプを使っている人が多いような印象を受けました。

ギターも、ドレッドノートもありますが、フォーク系のギターも多くみかけました。

演奏している曲は、いろいろですが、ニューヨークということもあり、私が触れたのは、米国のアパラチア地域発のものが多かったのでしょうが、ボストン等のニューイングランド地方に残っている音楽もあったようです。

この辺のことはよくわからないのですが、ニューヨークの北に位置するニューングランド地方には、古い植民地時代からの民謡が残っていて、これはこれで、独自の世界のようです。

私は、一回、ボストン郊外で開催される Banjo North という、バンジョだけのキャンプに参加したことがあるのですが、そこでは、ニューイングランド地方に残る、独特の民謡、フォークソングが盛んに演奏されていました。(このことについては、又、別の機会にお話したいと思います。)

曲調も、コード変化がない1コードの曲や、「モーダル」と呼ばれるもの等が、多く演奏されていました。

おそらく、オールドタイミーとブルーグラスは、近親相姦のようなところがあるんでしょうね。とても興味のあるところです。
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  by kasninoyh | 2005-03-21 23:45 | 身勝手ブルーグラス論

オールドタイミー音楽とブルーグラス (1)

c0032583_2281792.jpg米国へ行く前は、「オールドタイミー」と言われる音楽とブルーグラスというのは、非常に近いものなのだろう、と想像していたのですが、音楽的な関係は深いものの、実際は、やっている人も曲も演奏方法も相当違うようです。

そもそも、「オールドタイミーとは何か」、ということも厳密な定義は難しいのでしょうが、ここでは、ブルーグラスやケルティックと同様、あちこちでオールドタイミーと称して、いろいろなジャムやギグが開かれており、そこで私が実際に耳にした音楽と演奏者達のことを申し上げています。(上の写真は、オールドタイミーで一時すごい人気を博した The Freight Hoppers のCDです。彼らはどうしたんだろう?)

あくまで、私の経験の範囲内でのことですので、米国全体でこのようなっている、ということではないかもしれません。私自身は、オールドターミーに非常に興味があるのですが、米国にいる間では、十分に全体像が分かる程の経験を得ることはできませんでした。どなたかお詳しい方がいらっしゃれば、是非、ご教示ください。

さて、私の感じでは、一言で言うと、「オールドタイミー」という音楽は、ブルーグラスとは似て非なる音楽で、一見すると同じように思えるのですが、全く違うものだ、ということです。演奏する曲も、ブルーグラスでやっているものと同じ題名のものが結構あるのですが、聴いた感じは随分違います。

まず、演奏する人同士が、あまり混じりあいません。というより、ありていに言うと、オールドターミーの人達と、ブルーグラスの人達は、反目し合っているようなところがあります。勿論、両方のジャンルを演奏する人も居るので、両刀使いの人も居ます。

c0032583_2220365.jpgオールドタイミーの人達は、ブルーグラスに対してある種のインフェリオリティー・コンプレックスを持っているようです。ブルーグラスの方が、テクニック的にも難しく、やりたいけれどついて行けない、というところもあるようです。これに、ブルーグラスは、もともとは、オールドタイミーから派生したのだ、という本家本元意識が係わって、結構、複雑な感情があるようでもあります。

ですから、ジャムでも、まず、この2つのグループは、別々に固まります。これは、これまでお話してきた Baggot Inn のジャムでも、あるいは、Nyack とういう町で開かれていたジャムでも全く同じでした。

オールドタイミーのジャムの特徴は、アイリッシュの場合と同じで、同じメロディーを全員で延々と演奏する点です。それなので、周りで聴いているだけだと、「同じメロディーを皆でずっと弾いていて何が楽しいのか」、と思ってしまうのですが、これが、やってみるとだんだんと恍惚感に浸ってきます。

その上、同じメロディーを全員でずっとやってくれるので、新参者にとっても曲が覚えやすくできています。新しい曲でも、何回もやっているうちに覚えますから。

しかし、このジャム演奏の仕方の違いや曲の違いは結構大きく、私は、ブルーグラス側に居ることが多かったから分かるのですが、ブルーグラス側の人間は、オールドタイミーの人たちのジャムを煙たがっているところがあって、「早く終わらないか」と思っていたりします。

(つづく)
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  by kasninoyh | 2005-03-19 11:20 | 身勝手ブルーグラス論

ブルーグラスをもっと広めるには (その1)

c0032583_0263591.jpgこれまで、いろいろなブルーグラスの魅力を探ってきましたが、これは、「どうしたらブルーグラスの良さを、もっと多くの人に分かってもらえるか」を考えたい、というところからスタートしています。

アメリカでは、ご承知の通り、映画 O'Brother の成功以来、ブルーグラスが復活の兆しを示し、若い人達の間でも、結構、聞いたり演奏したりする人が増えているようです。日本は、何でもアメリカの後追いをしていきますので、そのうちこちらでも復活してくるのかもしれません。

それはそれとして、これだけ魅力的な音楽を、より多くの人に好きになってもらうためには、ある一定の戦略的な動き、というのも必要かもしれません。まぁ、あんまりおおげさな事を言ってもはじまらないのですが、特に、若い人達にもっと振り向いてもらうためには、どうしたらいいのだろうか、を考えてみたいということです。

最近、ケルティックの方は、若い人も随分やるようになっている感じがします。やっている人は、まだまだ少ないのでしょうが、ブルーグラスのように、以前の一時期はやったことがあって、現在やっている人は、その当時やっていた人が中心、という構造ではなく、若い人も含めて、新たに好きになって、入ってくる人が多いように見受けられます。これは、ケルティックにそれだけの魅力がある、ということでしょう。

ブルーグラスだって、我々の世代はすごく好きになった人が多かったわけで、それなりの魅力があるのですから、同じような構造を作り出すことは、できるのかもしれません。「作り出す」というのは、ちょっと言い過ぎかもれませんが、身の回りから、ほんの少しでも輪を広げていくことはできるかもしれません。昔好きだった人たちだけのクローズド・サークルではなく、もっとオープンのサークルにできないか、ということです。

1つの可能性は、オープン・ジャムです。アイリッシュ音楽の方は、一般に開かれたセッションの場があって、皆で1つの曲を練習していくような場がいくつかあるようです。もちろん、曲そのものの持つしとやかな魅力も大きいと思いますが、このような安くてオープンな練習の場がある、というのは普及のきっかけとなるかもしれません。

その意味で、ブルーグラスのオープン・ジャムをやっていくような地道な努力は、意味があるのかもしれない、と考えるのですが、いかがでしょう。
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  by kasninoyh | 2005-02-21 22:02 | 身勝手ブルーグラス論

ブルーグラスの魅力 (その4)

c0032583_23175084.jpg引き続き、ブルーグラスの魅力についての愚考です。

<皆でワイワイやりながら楽しむ>
ブルーグラスは、基本的に、「参加しながら楽しむ」「やりながら楽しむ」タイプの音楽だと思います。自ら参加するところに魅力があります。

必ずしも楽器の演奏や歌で参加するだけではなく、ダンスでもいいし、身振りでもいいし、手拍子でもなんでもいいのですが、一緒に、音楽に溶け込んでいく楽しさがあります。

これも逆を言うと、クラシック音楽のコンサートのように、一方的に聞くだけでは、ブルーグラスの良さの全部は分からないということでもあります。

例えば、Wheel Hoss なんて曲をCDだけで聴いて、すぐにものすごく好きになる、という人は、そうそういないでしょう。「なぁんだこの曲、単調でおもしろくないメロディーだな」、くらいの感じを持つのが、ごく標準的な反応だと思います。

かくいう、私自身がそうでした。

もちろん、ブルーグラスは以前から好きだったのですが、フラット & スクラッグスのような、どちらかと言えば、メロディーもメージャーで明るく、楽器の演奏もはっきりしているタイプがブルーグラスだ、と思っていました。後になってから、ブルーグラスの父と呼ばれるビル・モンローの曲を聞いても、なんか古臭い、という感じが強く、好きな曲も勿論たくさんありましたが、Wheel Hoss だの Big Mon だのといったインストは、今一つピンときませんでした。

これらの曲が「本当にいいなぁ」、と思えるようになったのは、相当後になってから、ニューヨークのオープンジャムで、Wheel Hoss なんかを、夜中まで、皆でワイワイ言いながら弾くような経験をしてからです。このあんまりおもしろくないメロディーの曲が、ジャムの中では、皆の熱狂を引き出すようなリズムと乗りをもたらしてくれるのです。

ブルーグラスは、やっぱり、このような「民謡」的な部分をたくさん含んでいます。実際に演奏に参加しないと、本当の良さは分ってこないタイプの音楽なんでしょう。
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  by kasninoyh | 2005-02-20 01:38 | 身勝手ブルーグラス論

ブルーグラスの魅力 (その3)

c0032583_195445.jpgそれでは、ブルーグラスの魅力について、引き続き、若干の考察をしてみたいと思います。

<曲がシンプルでコードも簡単ですぐ演奏できる>
ブルーグラスの曲は、フォークソングがベースにあることもあり、だいたいがメロディーがシンプルで、コード進行も単純なため、誰でもすぐに演奏できる、というのが大きな魅力です。また、リズムもツービートで非常にシンプルです。

コードは、I、IV、V (C、F、G7等)の3コードを知っていれば、8割方の曲は何とかなる、という簡単さは、ジャムには欠かせない要素です。

しかし、これは、逆に短所ともなっており、「ブルーグラスは、どの曲も皆同じに聞こえる」というクレームの原因ともなっています。

<早いリズムの曲が多く、心躍る>
楽器演奏では、特に、その早いスピードとリズムが魅力です。鬱屈した気分を吹き飛ばすには最適です。バンジョの3フィンガーピッキングの音は、この早いリズムの象徴です。

ただ、これも反面がありまして、速さを追うあまりに、がさつな演奏になるきらいがあります。

<ハーモニーはシンプルだがハモると気持ちがいい>
メロディーもシンプルで美しいものが多いので、テナー、バリトン、バスも付けやすく、ハモれば、とても気持ちのいいものです。ただし、これは、「ハモれば」という前提付きで、結構、ハモるのは難しいことですが。

アメリカのノース・カロライナ当たりの人は、小さい頃から、教会で賛美歌を歌うという素養を持っているらしく、ごく自然に3重唱、4重唱をしてしまいます。又、ブルーグラスのプロの人達も、楽譜などは見ないで、自分のパートは自然につけられるみたいですね。なかなか、我々にはそのような芸当はできないのですが。 (つづく)
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  by kasninoyh | 2005-02-17 13:17 | 身勝手ブルーグラス論

ブルーグラスの魅力 (その2):高度な楽器演奏

それでは、何がブルーグラスの魅力だったのか?
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<楽器を弾きながら歌を歌う>
まずは、その楽器演奏のすばらしさ、でした。そもそも、自ら楽器も弾きながら歌も歌う、ということが新鮮でした。自分達にもできそうだ、というのが大きな魅力でしたね。

それまでは、歌は歌手が歌い、オーケストラとかプロのバンドとかが別に伴奏をつける、というのが普通の音楽という感じでしたが、ビートルズもそうですけれど、楽器演奏をしながら自分達で作った歌を歌っていく、という演奏形式はとても魅力的でした。

<高度な楽器演奏> 
アメリカン・コンテンポラリー・フォークの魅力は、コーラスの美しさ、曲の美しさ、それにメッセージ性であったかと思います。ブルーグラスは、それに楽器演奏の巧みさ、が加わっていました。

フォークの方も、2フィンガーピッキング、3フィンガーピッキング等、テクニックがありましたが、バンジョやマンドリンの華麗な演奏は、それを上回るテクニックのように思えました。こんな音を出してみたい、というのが楽器に取組んだきっかけかと思います。

特に、ブレークダウンと呼ばれる早弾きの曲は、そのスピード感もあいまって、やってみたい、という気になりました。(つづく) 
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  by kasninoyh | 2005-01-27 11:31 | 身勝手ブルーグラス論

どうして日本人がブルーグラスなんてやるんだ?ブルーグラスの魅力(その1)

 ずっと以前から、どうして日本人なのに、よりにもよって、アメリカ人だってあんまり聞かないブルーグラスなんかに熱中しているんだろうか、ということが頭にひっかかっていました。ただ好きだからやっている、という純粋な動機であることは良いのですが、これってただの時間の無駄ではないのでしょうか?(これは、うちのかみさんの言い分です。)c0032583_1347650.gif

何が魅力なのか?日本人がアメリカの民謡のような泥臭い音楽をやって意味があるのだろうか?ブルーグラス音楽について、いろいろと思うところを書いていきたいと思います。

 まず、ブルーグラスの何が我々を捕らえているのか、を考えて見たいと思います。それには、どうしてこの音楽が好きになったのか、から振り返っていくのがいいのかもしれません。

 私が青春時代を送った1970年代は、アメリカンフォークが最盛期で、PPMやブラザーズフォー、キングストントリオ等にあこがれ、ギターを買ってもらって、これらのグループの真似を始めました。やがて、キングストントリオが、バンジョという面白い楽器を使っていて、この音が早くてすごいと思い、いろいろ聴いていくと、バンジョを主体にやっている音楽があることが分り、これがブルーグラスだった、ということです。

 このような経緯を経てブルーグラスが好きになった人は、我々の世代には、大勢いるのではないかと思います。 (つづく)
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  by kasninoyh | 2005-01-26 23:03 | 身勝手ブルーグラス論

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