マイク伊藤という方をご存知でしょうか。
私は、この方の本を本屋で偶然見かけるまで、全く知りませんでした。
その本の題名は、
「音楽から見える「アメリカ」-カントリーウエスタンとともに40年」です。
マイク伊藤氏は、東京で生まれ、大学で5弦バンジョーを弾き、卒業後ブルーグラス音楽に憧れてアメリカに渡って彼の地でバンジョー、フィドルのプロとなり、現在は、ミズーリ州のブランソンの劇場の専属プレーヤーとして活躍しているという人です。
この略歴を見ただけで、まるで夢のお話を聞いているようです。
実際、YouTube には、ブランソンの劇場
Baldknobbers でフィドルを演奏している伊藤氏の映像を見ることができます。
この本は、単身、何のコネもなくアメリカに渡り、ブルーグラスやカントリー音楽を演奏するプロになっていく様子が書かれています。
私としてはめずらしく、一気に読んでしまいました。
伊藤氏が言っているように、アメリカは能力のある人、実力のある人には、かなりオープンに受け入れてくれるところがありますが、競争も激しいし、その地位を維持していくだけでも大変だと思います。
とにかく英語がわかるだけでもすごいですよね。いくら楽器の演奏ができても、バンドメンバーからの指示やお客さんの反応など、ことばがわからなくては、話になりません。
私も、アメリカで少しだけジャムをやるにしても、英語でいろいろ言われてわからいことだらけ、という経験をしました。
その上、この本のおもしろいところは、アメリカ文化、それと比較した日本文化についての観察本にもなっているところです。
アメリカ人の人との接し方や、ショービジネスの裏側、ブランソンという町がカントリーの中心地となっていく発展過程、アメリカ人のリタイヤ生活、食べ物や宗教、そして人種問題まで、実際に長い期間生活されて体験されたアメリカ経験が凝縮されています。
すごい日本人がいるんですね。
ところで、私は、ブランソンという町もあまり知りませんでした。タブチさんという日本人のフィドラーが劇場を持っていてすごい人気だ、という話をちょっと聴いたことがあるくらいでした。
こんなカントリー音楽だらけの街があるんですね。浅学でした...