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フィドル演奏のヒント(2):Drone (通奏低音?)

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フィドルの演奏についての身近なヒント、その2です。

今日取り上げるのは、Drone(ドローン)です。それも、小指で押さえるドローンです。

ドローンというのは、「通奏低音」とでも言うのでしょうか。基本的なテクニックですので、教則本にも書かれていますが、隣の弦に指が触れてしまったりするので、なかなかうまく行かず、結構、練習が必要です。

でも、是非マスターすべきです。これができると随分とブルーグラスフィドルらしくなります。(と思って、私も練習しております。ようやく、最近、3弦の小指のドローンはできるようになってきましたが、他の弦では、まだ、うまくいきません。)

下の図は、フィドルの指板の略図です。フィドルにはフレットがありませんが、そのままでは、表記できないので、便宜的にマンドリンと同じものを使ってポジションをお示します。(当然、フィドルで「フレット」という言葉は使いませんが、ここでは、敢えて「フレット」と呼びます。)

キーがAの曲を例にとると、小指で3弦の7フレット(Aの音)のところを押さえたまま、2弦と3弦を同時に弾きます。同じ音がダブルで弾かれますが、小指で押さえたAの音は、開放弦の2弦のAと微妙に違っていますので、これが合わさることで、独特の音になります。

後は、この小指を押さえたまま、空いている人差し指、中指、薬指で、適宜、2弦を押さえていきながら、ダブルストップを弾く(2弦と3弦を同時に弾く)と、常に3弦のAの音が通奏低音でとなり、独特の音を出すことができます。

★↓キーがAの時のドローン(3弦の7フレットのところをずっと押さえる。)

****1***2***3***4***5***6***7***8***9**10*
1 E|===|===|===|===|===|===|===|===|===|===|
2 A|===|===|===|===|===|===|===|===|===|===|
3 D|===|===|===|===|===|===|=O=|===|===|===|
4 G|===|===|===|===|===|===|===|===|===|===|


例えば、Aで弾かれる Sally Goodin の初めの導入部分は、この通奏低音が要です。Dで弾かれる Lee Highway Blues も同じですが、小指で抑えるところが4弦の7ポジションとなります。

Aで弾かれる Uncle Pen 等もこの Drone があると、ずっと引き立つと思います。(ただ、フィドラーによって、使ったり使わなかったりいろいろです。)

開放弦をドローンに使うこともあります。というか、これが本来(?)なのでしょうか。Aの曲で1弦を開放弦で通奏高音(?)とし、2弦のところでメロディーを弾くと、微妙な不協和音があったりして、バグパイプのような音が出たりします。ビル・モンローの Scottland 等は、その典型ではないかと思います。(だから Scottland と言うんでしょうね。)


★↓(参考)フィドルの擬似フレット表記

****1***2***3***4***5***6***7***8***9**10**
1 E|=F=|===|=G=|===|=A=|===|=B=|=C=|===|=D=|
2 A|===|=B=|=C=|===|=D=|===|=E=|=F=|===|=G=|
3 D|===|=E=|=F=|===|=G=|===|=A=|===|=B=|=C=|
4 G|===|=A=|===|=B=|=C=|===|=D=|===|=E=|=F=|

  by kasninoyh | 2005-05-11 22:31 | フィドル演奏

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