アメリカン・ルーツ・ミュージック-楽器と音楽の旅
今日取り上げるのは、ブルーグラス関係の本で、奥 和宏著「アメリカン・ルーツ・ミュージック-楽器と音楽の旅」です。
この本は、2004年に出ているようなのですが、ごく最近本屋で見つけて早速買って読みました。
著者の奥 和宏氏は、ご自身のサイトも持っておられて、主にマンドリンを中心にいろいろな情報がアップされています。私も、よく目を通させていただいています。
この本は、著者の広く深いアメリカ・ルーツ音楽についての知識をベースに、副題の通り、楽器を中心にして、いろいろなルーツ音楽のルーツを解き明かしてくれます。
この本からは、以前から疑問におもっていたことについて、いろいろなことを教えてもらいました。
例えば、アメリカで20世紀の初頭にマンドリン・ブームがあったことは有名ですが、当時、イタリア型のラウンドバックのマンドリンではなく、フラットマンドリンで普及した経緯や、ギブソンF5で有名なロイド・ロアーの存在というのは、マンドリン製作者というのではなく、現在の「サム・ブッシュ・モデル」のように、当時有名だった演奏家とそのシグニチャー・モデルのようなものだったのではないか、という推測等、「ああ、そうなのか」と思わせるところがたくさんあります。
アメリカでは、マンドリン・オーケストラのブームばかりでなく、バンジョー・オーケストラのブームもあったんですね。
楽器を中心にルーツ音楽を解剖していくのは、楽器を触っている人間にとっては、大変、興味の尽きないアプローチです。
私としては珍しく、思わず一気に読んでしまいました。
by kasninoyh | 2006-01-03 22:21 | ブルーグラス・音楽の本